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zoom RSS ゼロ・グレージングの世界のエネルギー☆テマ村 その6

<<   作成日時 : 2013/08/25 15:16   >>

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 ムチャロさんの一日は朝まだ真っ暗な4時半ころに始まる。飼っている乳牛3頭の乳を自ら搾るのである。手絞りなので、暗闇の中からキュッキュッという音が聞こえてくる。
 わたしも3日目の朝には頑張って?早起きした。敬虔なクリスチャンのムチャロさんのミルクを搾る音は祈りのようだ。静寂の中に厳かに響く。

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 この日は16リットルのミルクが取れた。歩いて20分くらいの小学校のそばにある牛乳購買所で売ることができる。1リットル600シリング。
 いくつかの業者が買い入れに来ているそうだ。赤い小型トラックでミルクを買いに来ていたおじさんは、自分の工場でチーズにして売るのだと言っていた。

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しぼりたてミルク


 村人が出し合ったお金と欧米のNGOの援助を合わせて、しぼりたての牛乳を保存するための冷温保蔵庫の設置のための試運転をしているところだった。今後は、この冷温保蔵庫の管理のために牛乳の売り上げの中から1リットル100シリングずつ積み立てるそうだ。

 
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 ミルクを搾った後、ムチャロさんと妻のエサヤさんは、新鮮な牛とヤギの餌を取りに出かける。これも毎日欠かすことのできない大切でたいへんな仕事なのだ。餌用の草も畑でも育てているが、それだけでは足りない。
 なぜならテマ村の牛やヤギたちは小屋の外へ一歩も出歩かないことになっているから。ゼロ・グレージング、つまり完全な「舎飼い」の世界なのであった。
 
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 テマ村にいた3泊4日の間に表に出ている牛を見たのは、サッカー場で草を食んでいた一頭だけ、その一回だけだった。「おおう!牛が外にいる!!!」と同行していた伊谷さんと大騒ぎ?したのを覚えている。同じキリマンジャロ山腹のルカニ村でも基本は舎飼いだと思うけれど、外で草を食べている牛やヤギを見かけることもあったし、ダルエスサラームでもドドマでも伊谷さんのフィールドのタンザニア南部の村でも牛が草を求めて牛追いと一緒に外を歩いているのは当たり前の光景だった。けれど、テマ村では違ったから。ヤギには外で一度も遭遇しなかった。

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 ひとつには、斜面の多い限られた土地を荒らさずにうまく利用するためにこうした舎飼いとなったのだろう。下手すると畑の作物まで家畜が食べてしまいかねない。牛舎の面積や、集められる新鮮な餌の量も限られているので、家畜の保有数も自ずから制限され、環境との折り合いがつけやすいということもあるのだろう。

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新鮮な草が必要


 だから牛を放牧させない分、人間が草を求めて歩かなければいけないのだ。
 稲刈り後の藁などの乾燥飼料は山麓から小型トラックで運んできたものをまとめて購入しているということだけど、新鮮な植物のえさも毎日与えなければいけないそうだ。人工飼料は使っていないというからすごいね。

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牛の餌を運ぶ人


 ダルエスサラームでは見かけたことのない草刈り用の鎌が村のキオスクでは売られていた。餌用の草刈りにぴったりの鎌なのだって。
 
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村の少女たち。これから草を集めに行くのか、鎌持参の子も。


 前回にも触れたけど、ハーフマイル・フォレスト・ストリップ(HMFS)でも、落ちた枝を拾ったり、下草を刈るのは現在でもできているのだそうだ。なので、HMFSの中で、芝刈り機で刈ったかのように美しく刈り取られている地帯もあった。

 早朝、明るくなったころ、ムチャロさんの家の家畜の世話などの仕事を手伝っているジュマくんが乾燥飼料をなたで食べやすく切り、ムチャロ夫妻が取ってきた新鮮な餌と合わせて牛に与えるのだった。黒砂糖を溶いた甘い香りの液体をかけると、牛の食欲が増すのだという。

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 全く散歩させないでも健康状態は大丈夫なのかしらと思ったりもするが(健康そうだった)、舎飼いの良いところは、まだあったのだった。

 牛舎やヤギ舎は高床式に作ってある。なので、牛やヤギの糞尿は下に落ちる。溜まったそれは、寝かせてから畑の肥料に使われている。
 でもそれだけでなく、バイオガスになり、料理の燃料や灯りともなるのだった。

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バイオガスについての説明をするムチャロさん。丸い穴の中のものを毎日撹拌する


 ムチャロさんちの台所にはガス台があった。タンザニアの農村には珍しい、と思っていたら、燃料はバイオガスなのだった。1日4時間使えるのだと。
 ほかに、ランプを灯すこともできるという。

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 2011年にドイツのNGOの援助を得て、試行プロジェクトとしてテマ村のムチャロさんの家ともう一軒の家に設置されたのだという。家畜の糞尿だけでなく、人間のも使っている。裏庭に小規模なプラントが作られていた。毎日、人力でかき混ぜる必要があるそうだ。予備知識も何もなかったので、詳しい仕組みを説明されても、半ば右の耳から左の耳へと通り過ぎるばかりだったけど、糞尿が有効なエネルギーに変っていくのを目の当たりにして感動してた。朝食にいただいたパンを焼いた燃料の大元はこの牛たち(そしてわたしたち!)が作りだした、そしていつもなら捨てているものだったなんで。

 プラントの設置にはかなり予算が必要なので、家畜を飼っているからといって、すぐにバイオガス導入!というふうには運ばないみたいだ。でも、ゼロ・グレージングの最大の長所はこれかもしれないと、素人考えかもしんないけど、未来を感じたのであった。

 人間のも、もっと有効活用できればいいのにね。
 
 
 

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