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zoom RSS 忘れないでいたいこと

<<   作成日時 : 2016/11/13 16:50   >>

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 ムゼーMにかなり久しぶりに会ったので、ご家族はお元気?ときいてみたら、
「元気だよ。でも孫の一人がね。。。」と話が始まった。

 孫の一人が学校に行ってないのだと。その12歳の女の子Aちゃんは、生まれたときからHIVに感染していた。彼女のお母さん、つまりムゼーMの娘の一人、はエイズで亡くなったのだそうだ。

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 今は、感染していても妊娠初期から適切な対策をしていれば、母子感染する確率はぐっと少なくなるという。Aちゃんのお母さん自身、感染していることに気づいていなかったのだろうか。

 Aちゃんはお父さんが誰だか知らない。ムゼーMもAちゃんのお父さんには会ったこともなく、名前も知らないのだそうだ。Aちゃんの父親は、Aちゃんのお母さんが身ごもったことすら知らなかったのではないか。それとも身ごもったと知って逃げたのか。。。タンザニアでは珍しくない出来事。。

「その男性がHIV感染者だったのではないの」と訊くと「たぶんそうだったのだろう」とムゼーMはうなるような低い声で答えるのだった。

 お母さんが亡くなってから、親戚の家に引き取られたのだが、その家では「神に祈れば病気は治る」と、HIVの治療薬を与えなかったそうだ。Aちゃんの体力が落ち、発疹が出はじめてしまったと聞いたムゼーMは、その親戚は納得しなかったけど、Aちゃんを自分の家に無理やり連れてきたと言っていた。
 
 HIVの薬ARVも飲み始め、医者に湿疹の薬ももらって塗り、伝統的な薬も同時に使い、Aちゃんは少しずつ元気になってきて、湿疹も今は消えてるそうだ。

「すごく賢い子なんだよ」とムゼーMは言う。絵を描くのも好きで、一人でいろんな絵を描いているそうだ。学校で勉強するのも好きなのだそうだけど、まだ体力が足りなくて学校に行けてない。
「食欲があまりないのが心配」とも言っていた。たくさんの穀物を組み合わせた栄養あるウジ(お粥)も作って飲ませているのだけど、あまりはかばかしくないそうだ。食欲が出るよい薬はないかなあとムゼーMは言っていたけど。。。

 なんとか元気になって学校に通えるようになってほしい。小さいころから薬を飲み続けなければいけないなど、たくさん大変なこともあるけれど、一緒に生きていこうとしている家族や大人たちがいるのだ。Aちゃんの食欲が出て、生きる張り合いをもてるようになりますように。Aちゃんのような子どもたちが生きやすい世の中になりますように。

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 この話を聞いた一月後。ムゼーMから訃報の知らせがあった。孫の一人が亡くなったという。Aちゃんだった。
Aちゃんの回復を心で願いつつ文章を書いただけで、会うこともなかった。けれど、訃報はずしんときた。
 「神様に呼ばれたんだよ」とムゼーMは言う。

 何もできなかった。何かできるなんて考えること自体が、おこがましいことかもしれない。けれど、忘れないでいたい。Aちゃんのこと。

 

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