タンザニア徒然草

アクセスカウンタ

zoom RSS ゴラン高原から来た国籍なき苺―TOOTARD(トゥートアルド)

<<   作成日時 : 2018/09/04 23:13   >>

ナイス ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

  シリアやパレスチナ、イスラエルのことは気にかかっているし、今も考えている。でも、その間にあるゴラン高原には思いを馳せたことは実はなかった。ゴラン高原出身のバンド、トゥートアルド(TOOTARD)にスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド(「スキヤキ」)で出会うまでは。

画像
「スキヤキ」のトークセッションでのひとこま


 彼らには、国籍がないのだという。今回は「スキヤキ」が招いたので、特別な「パスポート」が発行され、日本に来ることができたけれども、もし、自分で日本の友だちに会いに行きたいと願っても、それは無理なのだとボーカル兼ギターのハサンは言っていた。

 彼らのアルバムのタイトルは「レセ・パセ〜国境なき者たちの通行証」。

画像


 「レセ・パセ」のミュージックビデオでは、ゴラン高原の光景も映し出される。



 「スキヤキ」では26日の「TOOTARD〜国境なき者たちの日常と音楽」というサラーム海上さんが聞き手となったトークセッションで、前日のライブで“しびれた”彼らの音楽のルーツに触れることができた。

画像
トークセッションはアートスペースで。ヘンドリックの絵に囲まれなが


 シリア、イスラエル、レバノン、ヨルダンの国境に位置する「ゴラン高原は、国際社会の批判を受けながらもイスラエルが長年にわたり占領している地域」。※1
 やはり国際的批判を浴びながらも「全面的にイスラエルの市民権を持った人々が入植し、居住している」※2という。
 元々そこにはムスリム(ドゥルーズ派)たちの「村落が点在しており、シリア側をルーツとする彼らは、イスラエルの法治下に置かれ」「シリア国籍を持つことを許されていないが、
民族のプライドとしてイスラエル国籍の取得を拒否、結果的に国籍を持たない民となってしまった」※2

 政治的なこととかかわりなく生きてゆくことができない(本当は日本人だって誰だってそうなんだけど)彼らの音楽はその「国籍がない」ことをかえって強みにしているんじゃないかと思えてくるのだ。

 「レセ・パセ」の歌詞の英語訳(彼らの歌はアラビア語)を見るとこんな歌詞がある。
Without a nationality, without borders−国籍がなければ、国境もないんだ
With music, I become a flying bird−音楽があれば、鳥になって飛べる

 現在のTOOTARDはハサンとラミ(ドラムス、ベース)の兄弟とアムル(サックス)の3人のメンバーだ。ハサンとラミの両親はアラブ伝統音楽の音楽家で、小さなころからそういう音楽に親しんできた。また、ロシア人にバイオリンを習ったこともあるという。そして、ボブ・マーリィの音楽に出会い、多くのことを学んだそうだ。最初はレゲエ・バンドから始めたとか。TOOTAEDというのは、アラビア語で苺の意味なんだって。「楽しそうだから」その名前にしたって言ってたような。

 ヘリオスステージのライブでも「日本に来られて、とてもうれしい」と笑顔で言っていた彼らは、音楽しているとき、とてもとても楽しそうなんである。聴いているほうにもそれが音楽に乗って伝わってくる。

 (下記をクリックすると「スキヤキ」での彼らのライブの盛り上がりが見られるよ。)
  https://www.facebook.com/tootard/videos/1971370976234943/ 

 彼らは地元のマジダル・シャムス村を拠点に活動し、人気を得ていく。ヨルダン川西岸地区などでも演奏し、大学生などの「目覚めた」イスラエル人にも注目されていったそうだ。(彼らにはイスラエルの通行証が与えられ、イスラエルとヨルダンには行けるけど、シリアとレバノンには行くことができないそうだ。彼らのルーツであるシリアには入ったことがないという。イスラエルの音楽祭でも演奏するようになったそうだが、音楽祭の中でアラブ人のバンドは「免罪符」的な扱われ方をし、ちゃんと評価されないらしい。いやだねえ)

 トークセッションでは、彼らの音楽にも取り入れられているアラブ音階(幾種類もある)の紹介を演奏付きでしてくれた。ちょっと複雑で不思議だけれど懐かしいような音階。

画像

画像


 アラブ古典音楽やレゲエに、北アフリカの「砂漠のブルース」、スーダンのアラブ・アフロ音楽、ジャズ、ロックなど幅広いジャンルをミックスした豊饒な彼らの広がりのあるダンサブルな音楽(ああ、うまく表現できない。。。)は、「国籍がない」彼らだからこそ「ボーダー」を超えた彼らだからこそ生み出せたのかもしれない。

画像
フフフ、一緒に写真撮ってもらっちゃった。


 どこにも属さないことは、実はどこにでも属せることでもあるのだ、と思えてくるよ。

 いつか解放されたゴラン高原でTOOTARDのライブを聴けたらなあ。それまでCD聴いて踊ってよう。心を飛ばしながら。


(アーティストの敬称略)


 「スキヤキ」に行ってなかったら、出会えなかった。「スキヤキ」のワールドミュージックへのアンテナはすごいなあと改めて思った!
  次はぜひタンザニアから!?



※1 スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドでの解説文より
※2 CD「レセ・パセ」の笹部紘一郎さんによるライナーノーツより
 日本語表記は、トゥートアルドなのか、トゥータルドなのか??

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
ナイス ナイス
面白い

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
トリップアドバイザー
タンザニア観光ホテル口コミ情報
ゴラン高原から来た国籍なき苺―TOOTARD(トゥートアルド) タンザニア徒然草/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる