ブルンジ編その10☆いよいよナイルの源流へ

 「ナイル川の肥沃な流域とその規則的な氾濫は古代エジプト文明誕生の基礎となった」*1
 タンザニア、ケニア、ウガンダと接するアフリカ最大の湖、ビクトリア湖から発したビクトリア・ナイルと呼ばれる川は、いくつかの支流を集めて白ナイルとなり、エチオピアのタナ湖から流れ出る青ナイルとスーダンのハルツームで合流して、ナイル本流となり、北へ向かって行くのだそうだ。

 ビクトリア湖から発する流れは、ビクトリア・ナイルだけだが、ビクトリア湖に流れ込む川はいくつかあるという。その中の一番遠いといわれる水源がブルンジにあり、わたしたちはそこへ向かっているのだ。でも、本当の一番遠い源流はルワンダにあるのだという説もある。*2 でも、ブルンジのナイル川の源は最南端の水源というのは、現在のところ確かのようだ。

 ともあれ、どちらも太古の昔から人々を翻弄しながらも堂々と流れてきたこの大河が産声をあげる場所のひとつということには、変わりがない。

 さて、ブジュンブラから車で走ること約3時間で、「ナイルの源のピラミッド」という看板がある駐車場に到着。広い駐車場なのに、他の車の影は見えず。

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 ナイルの源を記念するピラミッドが丘の上に建っているので、現場のガイドのピーターさんに連れられて、まずピラミッドへ。2,000mほどある高地だし、雨が降って来たので、かなり涼しい。

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 ピラミッドのそばには、ヤギ飼いの少年たちがいた。日曜日だから手伝っているのか。それとも。でも、しっかりタイヤのように転がして楽しむ遊び道具は持ってたよ。名前くらいは聞き出せたけどそれ以上は言葉が通じず。

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 ピラミッドのある丘から見渡す景色は様々な濃さの緑が織りなす絨毯のようだ。

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 丘の上のピラミッドは、1938年に建てられたそうだ。ドイツ語で書かれたプレートが貼りつけてあった。ベルギーの前にはドイツの植民地だったことが関係しているのだろうか。

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記念碑に足を置いていいんすか?


 さて、いよいよナイル川が生まれる場所へ。ピラミッドの丘を下り、駐車場を通り過ぎ、ちょっと滑りそうな湿った土の細い道を下っていく。

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 鬱蒼と茂った森の中を行くようなイメージでいたのだけど、開けた場所である。背の低い植物ばかりで、畑もあったりする。
 あ、水音が聞こえてきた。いよいよ遠く地中海まで旅するために生まれる湧水が現れるのだろうか…。

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☆ここからネタバレ?注意・行ってみたい人はここまでにしておいたほうがいいかも???☆



 と思いきや、ピーターさんが急に立ち止まり「ここがナイル川の源流だ」と指差したのは…。コンクリートの壁から突き出した管から流れ出る水なのであった…。

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 なんと。思い描いていたナイルの産声のロマンが…感じられないよお。どうせ人の手を付け加えなければならないのなら、もう少し雰囲気を出せないものかなあ。ブルンジの観光名所のひとつなんだからね、と思ったのであった。

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 ナイル川源流見学には、外国人は一人5,000ブルンジフラン($1が約1,300ブルンジフラン)の料金を払うことになる。ピーターさんに「どのくらい観光客が来るの」と聞いたら、「結構来るよ」とのことだったけど、わたしたちが駐車場に戻ったときも、他の車はなかった。その代わりヤギを連れたり、農具を持った村のおじさんたちが駐車場を取り囲むようにしてわたしたちを珍しそうに見ていた。

 でも、ブルンジの山の中で生まれた流れが、いくつかのアフリカの国を抜けてはるか6,600km以上もの旅をするのだからすごいよね。壮大な物語の始まりに出会えたことに感謝しよう。

 
 

 
*1『アフリカを知る事典』平凡社 より
*2 「ナイル川の本当の源流に到達した早大探検部」http://homepage2.nifty.com/tankenka/sub1-22.html
 

この記事へのコメント

Umeme umekatika
2011年12月19日 08:11
申し訳ないが・・・笑ってしまった。
たぶん、年内にもう二回くらいはこの展開に思い出し笑いをしそうな気がする・・・。

まあ、大河も水の一滴からと言いますし、真実味があってよいのではないでしょうか・・・。
私は、ウガンダのJinjaにあるナイル源流には行ったことがあります。

このあたりの子どもは、フランス語もスワヒリ語も話せないんでしょうね。
意思の疎通ができるのはルンディ語でしょうか・・・それとも部族語?
ブジュンブラ編でアップされていた写真のおかげで、「ようこそ」をルンディ語で「風(Kaze)」と言うことだけは覚えました。
asami
2011年12月20日 22:16
Umeme umekatikaさん

いえいえ、思い出し笑いできるほどの笑いを提供できて、よかったです。
jinjaの源流、実はわたしも数年前に行きました。水が白っぽく見えた気がしました。青ナイルは、ほんとうに青いんでしょうかね。

子どもたちが何語で話しているは、スワヒリ語でもフランス語でもなかったので、ルンジ語だと思います。ブルンジの民族、フツ、ツチ、トゥワの人々は皆ルンジ語を話すそうです。Kaze、いい響きですね。